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被災事業者の二重ローン対策がまとまりました。

11月21日までに国会で東日本大震災の被災事業者向けの二重ローン対策の法律が成立しました。「東日本大震災事業者再生支援機構」が金融機関の被災事業者に対する債権を時価以下の価格で買い取り、最長15年間保有し、当該事業者に対しては元利金を免除したり返済を猶予するというものです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111127-00000002-fsi-bus_all

買い取った価格を超える部分については、原則として免除することが期待されています(法律上は必ず免除するとまでは定められなかったようです)。

対象事業者は個人などの小規模事業者でも良く、附帯決議では「小規模事業者・農林水産事業者、医療福祉事業者当を重点的に対象とする」とされたようですので、ごくごく普通の個人の漁師さんや農家の方なども利用できそうです。

例えばこんな感じが期待できそうです。

個人の漁師さんが津波で船を流されて、借金が1000万円くらいあるものの、現時点では支払能力がほとんどないという場合、機構は、現在の支払能力を見込んだ「時価以下の価格」(仮に100万円とします)で債権を買い取ります。

買い取り後、漁師さんは機構に返済をすることになりますが、機構は差額の900万円はどこかの時点で放棄し、残りの100万円についても返済期限を猶予したり長期分割にしたり、場合によっては一定期間後にそれも免除したりして漁師さんの再生を支援します。

他方で、漁師さんは新しい借り入れをしてまた船を買い、前の債務に煩わされずに新しく漁業を再開できるということになります。

ただし、「新しい借り入れ」は基本的に漁師さんが自分で金融機関にかけ合って協力を求めなければならないようです。

そして、機構に対して債権買取等の支援を要請する場合は、予め「新しい借り入れ」を了解してくれる金融機関を探した上、事業の再生の見通しを記載した事業再生計画を作って、その書面を提出しなければならないようですので、このあたりは小規模の事業者の方には少し大変かも知れません。

「機構」にも事業者に対する助言などの支援の仕組みも作るようですが、この辺は我々弁護士もお役に立てる点が大いにあると思いますので、お困りの際には是非お近くの弁護士事務所や弁護士会などにご相談いただければと思います。

「再生支援機構」は来年2月までに設立される見込みとのことで、買い取り資金は5000億円を調達する予定だそうです。小規模事業者の債務の規模からすれば、かなり多くの事業者が救われる可能性があります。

まだまだ運用上工夫が必要な問題も多そうですが、是非、これが被災地の事業再生に向けた有効な支援になるよう、期待したいところです。

我々弁護士も、事業者にとって本当に有効な制度になるよう、どんどん要望を出していく必要がありそうですね。

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