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2019年4月の1件の記事

医療過誤訴訟で2件の和解

長くてがけていた医療過誤訴訟2件で和解が成立しました。

 

1件は昨年末に高裁で和解が成立したものです。

病院に救急搬送された方が、その時点で大動脈解離(大動脈内の内膜が部分的に破れて血液が内膜と外膜の中に流れ込み、外膜だけで血流を抑えている状態)を発症していたのを病院がCT検査で見落としたため、入院から約1週間後に血管の破裂により死亡したという事案でした。

一審では見落としが過失でないとされて請求棄却になったのですが、高裁ではこちらの主張を大幅に取り入れてくれ、請求額の7割くらいを支払ってもらうということで和解になりました。一審が敗訴であることからすれば、勝訴的和解と言えると思います。

 

もう1件は今年の2月に和解が成立した案件です。

 

慢性硬膜下血腫と診断されて夜に病院に入院し、翌朝に手術を予定していたところ、夜の間に病状が悪化し、翌朝手術を受けたものの、脳梗塞が発症して眼の神経などに後遺障害が残ったという案件でした。

こちらはどの時点で緊急手術の適応状態に至ったのかが事実認定における大きな争点でしたが、こちら側の見解と裁判所の見解がかみ合わず、必ずしも納得できる和解案ではありませんでした。しかし、ご本人やご家族とも相談し、結論としては和解しました。

控訴すればもしかするとまた判断が変わったかも知れないとは思うものの、ご本人やご家族の精神的・経済的負担も考慮すると、やむを得ない選択だったのかとも思います。

このあたりの判断は常に悩むところです。

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