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裁判長が控訴を勧めるとは・・・?

裁判員裁判初の死刑判決が言い渡されました。

判決後の説諭で、裁判長が「控訴を勧めます」と述べたと伝えられています。

テレビなどでもいろいろと取り上げられていますが、確かに、裁判員の心理的負担を軽くするとか、もしかしたら内部でも意見が分かれていたなどの事情があるのかも知れません。

しかし、やはり弁護士から見るとかなり違和感のある発言であることは否めません。

被告人としては、裁判所が精一杯いろいろな事情を酌んだ上で判決を出してくれたと思えばこそ、結論に不満はあっても自分を納得させて刑に服することができる筈です。

それが、「控訴を勧めます」と言われたのでは、裁判所も自信がないのか、あるいは別の考え方もあり得ることを自ら認めているのか、という気持ちになり、不安が募ってしまうと思います。

また、裁判員の心理的負担軽減と言っても、それじゃあ控訴して職業裁判官による裁判でも同じ結論でしたということにでもなれば裁判員は安心するというのでしょうか?

そういう考え方だと、「裁判員による裁判は不完全・不十分なもの」であり、「職業裁判官によるお墨付きをもらって初めて一人前」ということにつながらないでしょうか。そんな風に思われたら、一生懸命に判断を出した裁判員も報われないのではないでしょうか。

裁判員が個人の心情としてそう思うのは仕方ないとしても、裁判所が控訴を勧めるというのは適当ではないと思います。

昔、仙台の裁判所にいた刑事の裁判官で、判決後に「控訴するかどうかは、あなたのためによく尽力してくれた弁護士さんとよく相談して決めなさい」といつも言って下さる方がいました。そういう言い方をしてくれると、弁護士としても(リップサービスとは思いつつも)少し報われた気がしますし、被告人も「裁判官から見てもこの弁護人はよくやっていると思っているならやっぱり信用できる人なんだ」と思ってくれて、信頼関係が一層深まるような感じがしました。

ちなみに、その裁判官は現在弁護士になっています。

法曹三者はそれぞれ立場がある訳ですから、裁判所は裁判所として、あくまでも公平・公正に判断しましたとうい態度を貫けばそれで良いと思います。

判断はしたものの、いろいろな事情で控訴をした方が良いと思うような場合は、上記のように「弁護士とよく相談しなさい」で十分なんじゃないでしょうか。

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