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2010年9月の6件の記事

特捜部は解体的出直しを

厚労省元局長事件を巡って、大阪地検特捜部主任検察官が証拠を改ざんしたことが明らかになりました。

自分たちのストーリーに合わせて虚偽の供述調書を取ろうとすること自体も到底許されることではありませんが、証拠の改ざんまでやっていたとは、本当に言語同断と言うほかありません。

私は同じ法律家として、警察よりは検察庁の方がまだ信用できるという思いもありましたし、検察官で立派な人が沢山いることも良く知っていますが、このような事態に至っては、もはや検察庁の信用は地に堕ちたと言わざるを得ません。

近時の報道では上層部も認識していたのではないかとのこと。

仮にそれが事実であっても事実でなくても、このような事態が生じた背景には検察庁全体の組織的な問題があることは否定できないと思います。単に担当検事1人の問題ではない筈です。

検察庁は本当に原点に戻って、国民の信頼を回復するためにやるべきことを全てやらなくてはいけないと思います。

検察庁の任務は、「狙った獲物を有罪にする」ことではなくて、あくまでも真実の究明です。

特捜部についても、存在意義の有無にまで遡って、その在り方を徹底的に検証してもらいたいと思います。

かつて、大規模汚職事件などで政権の腐敗に鋭く切り込んだ特捜部のこんな姿を見なければならないとは、一市民として本当に残念で悲しいことです。

追記 仙台弁護士会もこの件について9月24日付で会長声明を出しています。興味ある方はご参照下さい。

http://www.senben.org/archives/1902

弁護側の証人:小泉喜美子

ミステリーファンの間では古典的名作として名高い作品。

文庫本で復刻されたと聞いていたのですが、出張先の東京の書店で偶然発見し、早速買ってみました。

読んでみると大納得。一発で作品に魅了されました。

旧家の離れで起きた財閥当主の殺人事件。

主人公はその家の御曹司(後に分かりますが、実は相当の放蕩息子)に嫁いで来たばかりの妻。

物語りは、一審で死刑判決が言い渡された後の、拘置所での夫婦の面会の場面から始まります。

金網越しの短いキス。

「控訴だってどうせ同じだ。今となって、ぼくらになにができるというんだ」と投げやりに全てを諦めようとする夫。

そんな夫を前にして、「澄んでさびしげな光をたたえているあの眼」「あれが人を殺した男の眼だろうか」と複雑な思いを抱きつつも、「まだ控訴も上告もあるわ。わたしは決して諦めない」と気丈に振る舞う妻。

冒頭部分から強い緊張感が伝わってきます。

そして妻は、一審の裁判中に気づいたある事実から真犯人の手掛かりをつかみ、新しい弁護士に依頼して真犯人探しを始める・・・というのが主なストーリーです。

章ごとに、三人称で2人の出会いから結婚、事件に至るまでの経過を客観的に記述するパートと、一人称で主人公が事件前までを振り返るモノローグ形式のパートが交互に繰り返され、それによって、登場人物相互の関係や被害者及び財閥を巡るそれぞれの思惑、関係者の間に沈殿する複雑な情念などが少しずつ浮かび上がります。

実は、この叙述形式にも作者の工夫があるのですが、読者はひとまず、どろどろとした情念の世界に引き込まれます。

誰が当主殺しの真犯人なのか・・・。

それをどう証明するのか・・・。

「弁護側の証人」とは一体誰なのか・・・。

物語の緊迫感が最高潮に達したところで、いよいよクライマックスの控訴審へ。

ここで、いわゆる大どんでん返しが待っています。

天地がひっくり返るような驚き、あるいは、崖の上に立たされているときに足元の崖が砂になってさらさらと崩れていくような喪失感、そんな感覚に一挙に突き落とされました。

なるほど、そういう訳か・・・。

そう言われてみると、巧妙な伏線が幾重にも張り巡らされていたことに、後になって気づかされます。伏線の余りの巧みさに、もう一度最初からほとんど読み返したくらいでした。

更に驚きなのは、この本が書かれたのは昭和30年代だということ。今も全く古さを感じないばかりか、トリックの巧みさは現在でもむしろ目新しさすら感じさせます。この時代にこんな意欲作を書いていたなんて、作者は天才ですね(ただ、残念なことに1985年に逝去されているそうです)。

読みやすいので通勤電車でもすぐ読めます。是非、ご一読を。

それでもやっぱり特捜部

前回の続きです。

今回の無罪判決を受けて、マスコミの特捜部批判が強まっています。

朝日新聞では、特捜部存続の是非について、識者が対立する立場から意見を述べる記事が掲載されていました。

しかし、私はやっぱり特捜部は必要だと思います。

特に、政治絡みの事件(贈収賄)や大型経済事件などについては、社会的権力者を相手に大ナタを振るう勇気と覚悟が必要です。

それができるのは検察庁特捜部しかないと思います。

警察も税理士などをスタッフに加えるなどして力を付けてきているという論調もありますが、どんなに警察が力をつけたとしても、政治的・社会的圧力に屈しない不撓不屈の精神は検察庁に勝るものはないと思っています(同じ法曹としてのひいき目かも知れませんが)。

それは、「正義を守る」ことについての強いプライドがなせる技だと思っています。

もちろん、それが行きすぎると今回のような失策につながりかねないという意味では、検察庁も謙虚に世論や弁護士会の指摘に耳を傾けて欲しいと思います。

取調の可視化や科学的捜査の一層の強化など、自白に頼らない仕組み作りにも本気で取り組んでもらいたいと思います。前回書いたように、検察官をもっと増員することも必要かも知れません。

我々弁護士は、日頃は検察官と対峙したり激論を闘わせたりする立場ですが、「巨悪を眠らせない」という検察庁の組織としての強さには、敵ながら敬服するものがありました(我々には組織力がないので)。

特捜部は、もう一度、国民の権利を守る、健全な民主主義を守る、という原点に立ち返って、一から出直してもらいたいと思います。そうすれば、国民の信頼も回復するときがくるでしょう。

な~んて、あまり検察庁を擁護するのも変ですけどね・・・。

厚生労働省村木元局長に無罪判決

報道では公判段階からかなり無罪の公算が高いとされていたこの事件ですが、やはり無罪判決が出ましたね。

警察や検察の調書が始めから結論ありきの作文だということはず~っと昔から言われてきたところですが、なかなか裁判所は認めてくれなかったものです。

特捜の手がけた案件で、ここまで検察側が大敗北を喫したのは珍しいのではないでしょうか。

今回の事件では供述調書の問題だけでなく、客観的事実の裏付け捜査も不十分だったとの指摘もなされています。

昔の検察なら裏取りは基本中の基本だった筈。

これもよく言われているところですが、裁判員裁判が始まって検察庁は人手を取られて一般事件が手薄になっているのではないかとも思われます。

司法試験合格者も増えているのだから、裁判所も検察庁ももっと新人をたくさん採用するようにしたらいいんじゃないでしょうかね~。

なお、日弁連や各弁護士会では取調の可視化に向けた運動を大々的に行っています。

仙台弁護士会でも、少し先ですが、10月16日(土)午後2時から、布川事件の当事者や弁護人をお招きして取調の可視化に関するシンポジウムを行いますので、興味のある方は是非お出で下さい。

民主党代表選

民主党代表選が盛り上がっています。

世論調査だとどこの新聞社でも圧倒的に菅首相が優勢のようです。

でも、週刊誌の見出しだと、もはや「小沢首相」で決まったかのような論調。

ということは、国会議員票は小沢さんが大部分まとめたってことなんでしょうか。

民主党の議員さんは、国民の声を代表して議員になった筈なのに、世論とかけはなれた結論を出すというのはどういうことでしょうか。

こんなに世論と議員の意思がねじれた状態で首相が決まってしまっていいんでしょうか。

民主主義って難しいですね。

入ます亭(いりますてい):青森市

前回予告どおり、グルメ番外編です。

青森市の居酒屋「入ます亭」は青森市役所の向かい側にあるお店で、地元の人に人気だそうです。

店内はそんなに広くなく、私たちは2人で行ったのでカウンターに通されました。

座るとカウンターの前には新鮮な魚やホタテ、カニなどが発泡スチロールケース毎どどーんと並んでおり、いやが上にも期待感が高まります。

とりあえずお任せ料理(2,100円)を頼んでみました。このお値段がまず良心的ですが、中味もすごい。

刺身は4点か5点盛りで量も多く鮮度抜群、その他、岩ガキや煮魚、天ぷら、焼きホタテなど(酔っぱらいすぎて詳しく覚えていないのが残念)、全部で8~9品で味も絶品。これでこのお値段はちょっと信じられマセーン、って感じでした。

しかも肉料理は何かの一皿にちょこっと出てきたくらいで(これも良く覚えてません)、あとは全部魚料理。

魚に対する自信のほどがうかがえます。

あと、飲んべえにとってうれしいのは、お酒が激安なこと。

有名な「田酒」も含めて地酒のメニューには「大1,300円、小700円」と書かれています。その意味を聞いたところ、大は2合、小は1合とのこと。・・・ということは、田酒を4合頼んでも2,600円!?

多分東京だとその倍はするんじゃないかと思いますし、仙台でもこんな安く出してるところはないですよね~。しかも、プレミアも付けずに他の地酒と同じ値段にしているんですから、地元の人に愛されてる理由がよく分かります。

ということで、ついつい飲み過ぎ、しかも、料理もおいしすぎたので、「お任せ」の外に「ずわい蟹」と「十三湖のしじみ汁」(十三湖は私の故郷なので頼まないわけにはいかないんですよね)まで頼んでしまい、終わってみるとそれなりのお値段になってました。

でも、値段以上に満足したことは言うまでもありません。また出張で青森に行くことがあったら、是非行きたいところです。

入ます亭:青森県青森市本町1-3-11

http://r.tabelog.com/aomori/A0201/A020101/2003754/

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