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弁護士業務広告について

全国クレジット・サラ金問題対策協議会などが、弁護士・司法書士によるクレサラ被害者の二次被害が増えているとして、弁護士らによる単独の業務広告の禁止を求める決議を出したそうです。

http://www.asahi.com/national/update/1207/TKY200912070306.html?ref=goo

日弁連では平成12年まで弁護士の業務広告を原則禁止していました。

これは、「弁護士が事件あさりをするようなことは品位にかける」、「弁護士業務はプロフェッションであり、商売にさせてはいけない」というような理念に基づいていたものと思います。

実際、昔は多くの弁護士がこのような理念を持っていたと思います(もちろん、弁護士の絶対数が少ないために広告の必要性が乏しかったという事情もあったかも知れません)。

しかし、市民の側に立つと、どの弁護士がいいのか、何が得意なのかといった情報が少なすぎるという声も多く、すったもんだの議論の末に平成12年に原則解禁になった訳です。

しかし、今のようなテレビ広告の状況をみると、昔の職業倫理というかプロ意識はどこに行ってしまったのかと思います。

それだけでなく、広告に多額の費用をかけているということは、その分、どこかで穴埋めをしないといけません。

弁護士の仕事は、同じような案件に見えても一件一件全部事情が違います。ひとりひとりの事情に合わせて最善の方法を考えるということは、本来は大量生産ができる仕事ではないのです。

広告を出して大量に定型的に処理をしようとすると、結局多くの部分を事務員に任せきりにするか(事務員への全部丸投げは弁護士法違反です)、逆に弁護士が対応する部分を多くすれば依頼者からいただく費用に広告費分を上乗せするかせざるを得なくなっていくでしょう。

実際、そういうクレームも増えているらしく、だから今回の決議にも至っている訳です。

私は、ユーザーである市民の方向けに弁護士の情報を発信することは決して悪いことではないと思っていますし(だからブログもやっている訳で)、今流れているようなテレビ広告も、それまで全くどうしていいかわからなかった人が何人かでもそれによって救われたとするなら、ユーザーの利益にかなっている面もあるのかとも思います。

ただ、弁護士業務の特性を考えると、やみくもに客集めをするような広告については、やはり何らかの規制があった方がよいと思います。たとえば、過去に懲戒を受けたり、弁護士会への苦情申立件数が一定件数を超えた弁護士の事務所は何カ月かメディアへの広告掲載を禁止するとか。

これから、さらに弁護士人口が増える中で、無秩序な広告合戦が広がるようなことだけは避けてもらいたいですね。

もっとも、大きく広告を出しても経済的にペイしそうなのは過払金請求くらいのもので、それももうピークを過ぎてきたことからすれば、弁護士業務広告も間もなく自然に下火になっていくのかも知れませんけどね。実際、過払金がこれほどメジャーになる前は全国的にテレビCMを出そうなどという事務所はほとんどありませんでしたから。

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コメント

広告で大量に依頼者を集められるから単価を下げられるのだと思いますよ。

依頼者が月に数件だと、事務所維持費をその数人にもってもらわないといけなくなります。

そうすると、おそろしく高い報酬をいただかないと成り立ちません。

その点、広告を大量にすれば、大量に受任できるので、たとえば“過払い金も発生しない、二社だけの債務整理”などあまりお金にならない案件も受けられます。単価を気にしなくてよくなるんですね。

そもそも広告がなければ依頼者なんてほとんど来ないでしょう。存在を知らないし、さらには法曹の仕事は内容が難しいので、説明しないと一般の方には理解できないから法律問題だということ自体に気がつかないからです。

逆にいえばそれだけ弁護士を必要としている人が行き場がなくなっているわけで、かつてサラ金関係で追い詰められて夜逃げ屋自殺する人が多かったのも広告規制の影響が大きいですよ。

他の分野でも同じことですけどね。

弁護士会への苦情申し立てだけでよい事務所か判断するのは間違いです。対立する勢力が嫌がらせ的に苦情申し立てをする可能性があります。弁護士同士でも思想的な対立があるのはみんな知っていることです。

それよりは、苦情の件数と内容を弁護士会のホームページで公開して、利用者が把握できるようにすれば選ぶ際の基準にできます。

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