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弁護士は悪者の味方?

出前授業とか、事務所訪問とかで中学生・高校生の皆さんとお話する機会があると、よく耳にするのが、

「弁護士さんって、なんで悪いことした人を弁護するんですか?」

という素朴な質問。う~ん、子供って無邪気だから怖いですね~。

でも、この質問に分かりやすく答えるのって、意外と難しいです。

私は、若い頃に先輩弁護士から聞いた、こんな言葉で答えています。

「弁護人というのは、世界中で被告人を信じてあげられる最後の1人なのかも知れないからだよ」

被告人は、逮捕された時点でマスコミ報道などにより、世間からはもう悪者のレッテルを貼られてしまっています。それに、被告人の中には、家族や友人等、支援してくれる人が誰もいない場合も少なくありません。ただでさえ、暗い留置場の中に一人きりで閉じこめられているのに、誰も支えてくれる人もいないとなると、本当に孤立無援です。

そんな状況の中で、弁護人は唯一最後まで被告人を信じて被告人のために活動してあげられる立場なのです。

そう思えば、簡単に見捨てたり諦めたりすることなんかできません。そして、そういう目で見ていけば、どんな事件でも不思議と被告人の言い分に合うような証拠や検察官の主張の矛盾点なども見えてくるものです。

我々弁護士は被告人を裁くのが仕事ではありません。「そんなのウソに決まってるだろ」なんてことを言ってしまったら一発で信頼関係は崩壊します。

当事者主義という裁判の構造の中で、我々弁護士の仕事は、いかにして最後まで被告人の主張を裁判という場に引き出してやるかということだと思います。

だから、弁護士はまず最初に「信じることのプロ」でなければならないと思っています(な~んて、ちょっとカッコつけました)。

凶悪事件の犯人の弁護人を務める弁護士が、世間の非難を浴びることが時々あります。

でも、弁護士が刑事弁護をやっているときというのはこういう気持ちでやっているのだということを、世間の皆様に少しでも分かっていただけると嬉しいなと思います。

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