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ある会社の自己破産申立

少し前に、ある会社の自己破産申立をしました。

自己破産申立そのものは裁判所に対して申立書と必要書類を揃えて提出するという作業ですが、代理人弁護士の仕事はそれだけで終わりません。

たとえば、破産申立を聞きつけた債権者が会社に押し掛けてきたときの対応、従業員さんの退職の手続とその後のこと(給料や退職金がどうなるのかなど)についての説明、現場の作業を止めることに伴う現場保存と事後処理、その他、事前に準備しておかなければならないこと、臨機応変に対応しなければならないことなど、山ほどの作業があります。

それらを短時間で全て完全に備えておいて当たり前、それがうまくできなければ、場合によっては現場が荒らされたり、混乱が生じたりすることもあります。

自己破産という残念な結果に終わったとは言え、それまで何年または何十年にわたり、多くの関係者と支え合いまたは支えられながら存続してきた会社ですから、それぞれに歴史もあり、人間ドラマも数多くあります。

そんな会社が、言わば臨終のときを迎えるに当たって、むごたらしい姿を晒さなければならないような事態にだけはならないようにしてあげたいというのが申立代理人弁護士としての願いであり、責務でもあると思います。

幸い、今回のケースは会社の役員さんはもとより、従業員さんも好意的に協力してくれ、大きな混乱もなく終えることができました。従業員さんは、翌日からの生活のことなどを考えると、きっととても辛い気持ちだったのだと思いますが、一生懸命後始末をしてくれて、最後には「長い間、お世話になりました」と言って去って行かれました。

そんな姿を見ると、我々の仕事は、多くの方々の人生の重要な1ページに常に立ち会っているのだということを改めて強く感じさせられます。

責任の重さに押しつぶされそうになるときもありますが、それが弁護士としてのやりがいでもあるのです。

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